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2006年09月05日

魚の気持ち-視覚編

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 魚たちの気持ちを知るには、魚たちがどの様な感覚を持っているかを知ることが第一だと思います。いわゆる「五感」で、「聴覚(音)」「嗅覚(匂い)」「視覚(色、形)」「触覚(歯ごたえ)」「味覚(味)」です。前回までに「聴覚」 「嗅覚」の話をしました。今回は「視覚(色、形)」を中心に魚たちの気持ちを考えていきたいと思います。
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色彩感覚はあるのか?
 私はテレビの野球やサッカーの中継をよく見ます。あまりラジオで聞くことはありません。テレビの良いところは「見える」ことです。例えば選手のファインプレーなどはテレビで見れば一目瞭然なのです。このように私たち人間は様々な情報の大部分を「視覚」から得ています。まさに”百聞は一見にしかず”なのです。では魚たちの「見ている」世界はどの様な世界なのでしょうか?

 魚が光を感じている器官としては、視覚器官としての眼と光を感じる上生体があります。上生体とは額にある光を感じる器官ですが、物を見ることは直接は関係していません。魚も人間と同じように眼で物を見ています。魚の片眼の視野は約180度と非常に広く、前方は両眼で物を見ることができます。両眼で物を見ることができる前方では遠近調節をおこなうことができます。しかし、片眼でしか見ることのできない視野では遠近調節をおこなうことができず、はっきりと物を見ることはできません。はっきりと物は見えませんが、動く物、特に不規則に方向転換しながら動く物を認知する能力は優れています。
 魚の眼の網膜には光の感じる受容器である桿体と錐体があります。桿体は明暗感覚に関係し、錐体が色彩感覚に関係しています。魚の錐体の実験から色彩感覚は「赤」「青」「緑」を基本としていることがわかっています。つまり魚たちは色の判別ができるのです。しかし魚種によっては錐体の能力、つまり色彩感覚の優劣があり、ボラ、ニジマス、ブラックバスなどは色彩感覚が優れ、クロダイ、カツオなどは劣っているという実験データもあります。
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視力と視覚
 魚の眼の基本的構造は人間の眼とよく似ていて、カメラの構造を例にとって説明されます。眼の良さとは①水晶体(カメラのレンズ)の良否、②遠近調節(ピント)の良否、③錐体の密度(フィルムの粒子)で決まっています。魚の水晶体は分解力が優れています。魚の遠近調節は、レンズの厚みを変形する人間の遠近調節方法とは異なってカメラのようにレンズの移動によって遠近調節をおこないます。眼の焦点(ピント)があう一番手前を近点をいい、近点は体長とだいたい同じところにあります。眼の構造としては近点よりも遠方に物に焦点を合わせることができます。しかし、網膜上にある光を感じる錐体の密度があまり高くないために、人間の視力1.0に対して魚は0.2~0.1ぐらいだと考えられています。これらのことから魚の眼とは悪いフィルムの入っているカメラであるといえます。
 濁っている水中では透明度や光の強さなどの関係で、実際に視力や色彩感覚は十分に発揮することができないものと考えられています。もちろんきれいな水に棲んでいるイワナやヤマメなどの魚たちは「視覚」を十分に発揮してエサを取っています。
 しかし一般的には魚たちの棲んでいる環境では「視覚」よりも「聴覚」や「嗅覚」での情報収集が適しています。これらのことから、魚たちは2号と3号のハリスの違いを判別できるほど眼がよくないことがわかります。実際には細いハリスにすると魚が釣れたということが多くありますが、このエサの食いの違いはエサの動きの違いによるためのようです。

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