実践クロダイ掛かり教室03
ところで室長・・・!クロダイって匂いに敏感なんでしょ?
クロダイは視覚が劣っている反面嗅覚は極めて鋭敏で、彼らが河口付近から沿岸域といった陸からの流入水や波浪といった濁りを発生させる要因が最も多い場所で確実に餌を探し当てることが可能なのはその優れた嗅覚があるからだ。

特にアミノ酸に対する反応は極めて鋭敏で、10-7Mという希薄な濃度の水溶液でも反応を示す。因みにグルタミン酸の1Mというのは1リットルの水に約147グラムが溶け込んでいる状態を指しているので10-7Mというのは10000000リットル。すなわち長さ100メートル幅10メートル深さ10メートルのプールにコップ1杯分約147グラムのグルタミン酸を溶かし込んだ濃度。
マルキューの研究室において古くから高速液体クロマトグラフ(アミノ酸などを分析する装置)を用いて海洋生物や餌の成分を研究しているのもこれらの有効成分を製品に応用するためなのである。
クロダイの視覚・チヌは仕掛けを見破っているのか・・・クロダイの視覚は他の魚類と比較した場合決して発達しているとは言いがたいのであるが、仮に発達していたとしても濁った水域に生息し夜間活発に活動する際あまり遠くのものが見えているとは考えにくい。人が見えるスペクトルが約400ナノメーターから750ナノメーターであるのに対しクロダイは480前後と550から570ナノメーター付近に集中していることから青色と緑色については良く識別できるもののそれ以外の色彩についてはあまり識別できないと推測される。従って釣り人が好む赤色のエビやダンゴについて、チヌはその色を識別していないのである。最近バグアンツというワームで内湾の橋脚際を狙って大型のチヌが数多く釣れているが、実績のカラーは紫~グリーン系に偏っているのも興味深い。
魚眼レンズという言葉が魚の視野を指していることはご存知のとおりであるが、魚が水中にある物体の見え方は、すぐ近くにあるものは認識できても視野は広いものの遠ざかると急速に小さく見えるため、釣り人の仕掛けを認識するのはごく近くに接近してからということになりそうだ。つづく
シツチョーッ
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