実践クロダイ掛かり教室08

大型の魚のことを「年無し」と言うのを知っている方も多いと思われるが、チヌの「年無し」は孵化してから何年くらい生きているのだろうか。
先日たまたま見ていたテレビドラマに「白虎隊」という番組があり、その最終部分に当時(約150年前)の青年男子の平均身長は150センチ程度で、現代人より身長が低いのは成長段階での食事によるものだ・・・という説明があった。
魚の養殖でも飼料の栄養分により成長の早さが異なるのは常識的なことで、変温動物である魚の場合生息域の水温によっても成長の早さは影響される。
では釣り上げたチヌの成長と体長の関係はどうなっているのだろうか。グラフはマルキュー研究室スタッフとチヌのインストラクターの方々が、西は五島福江島の玉之浦湾から東は千葉県勝山港で釣り上げたチヌの鱗から年輪測定によって得られた年齢である。

これによれば大体50㎝に成長するには10年ほどの歳月がかかっていることが読みとれるが、不思議なことに西日本と東日本といった地域の違いによる、成長速度の大きな差異は見られなかった。
ここで私自身疑問なのは、九州では50㎝は珍しくはなく60㎝級の大型チヌがちょくちょく釣られているのに対して、関東では60㎝級は極めて希で50㎝級でさえ滅多にお目にかかれないのは、関東のチヌ(クロダイと呼んでいる)の方が九州のチヌよりも成長が遅いためではないかと思っていたが、データの範囲では西と東の差が顕著ではないという点である。
話は逸れてしまうが、私がよく行く清水港で大型のチヌを釣ろうとした場合、かかり釣りの船宿さんが3軒あり、仮に一軒の年間来客数が2000人とすれば、船からの釣り人だけで年間約6000人、岸からの釣り人がそれよりも少ない4000人とするなら、実に年間約1万人ものチヌ釣りファンが訪れることになる。ということは上のグラフにあるような50センチ級のチヌであれば10年間で約10万人もの仕掛けを徊潜った強者ということになる。大型チヌに巡り会うのが如何に希な出来事か想像がつくであろう。
そういうことから推測するなら超大型のチヌが数多く釣れる九州はチヌの数に対する釣り人の数が関東よりも少ないため、長い年月生き残れる確率も高いということであろうか。いずれにせよ60㎝を超える個体数のデータが少ないためここでは結論付けることは難しい。今後チャンスがあればその辺について詳しく調査してみたいものである。
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