へら鮒天国TOP > 特集・記事一覧 > 「ネオヘラプロリーグ2011」第6戦 羽生吉沼
今期最終戦の羽生吉沼は、
予想通りの打撃戦となった。
なんと9位までが100kgを越える激戦。
この戦いを制したのは、榊雅裕選手。
188枚、130.29kg。
ネオヘラ史上、最高の釣果をたたき出した。
   
9月7日(水)、埼玉県羽生市の羽生吉沼でNEO-HERA第6戦が行われた。
最終戦となる今回は、総重量での勝負。
台風の影響による雨で水が変わった影響か、ここ羽生吉沼のへら鮒の活性は高い。
前日(6日)に試釣に入った選手に聞くと
「食いはとても良く、両ダンゴのカッツケでバタバタ釣れる」とのこと。
いったい何キロ釣れるのか? 釣果の予測がつかない状況だった。

午前6時、競技開始。使用した桟橋は、榛名と富士。
23名の参加者は、抽選によりこの2つの桟橋に分かれて釣りを開始した。
スタート時点では、ほとんどの選手がウキ〜オモリ間30cm前後の浅いタナで
釣っている。前日の試釣で、この釣りがベストとの判断のようだ。

2時間が過ぎ、予定通り浅いタナが釣れている。
そのペースは時間あたり15kg以上となっている。恐ろしいほどの、ハイペースだ。
羽生吉沼の事務所にあるモニターに、選手の釣果が写しだされている。
その数字は、見る間に増えてゆく。
しかも、誰かが抜け出しているわけではない。
順位までもが、目まぐるしく変わってゆくのだ。

最初は榊選手が抜け出したが、
3時間が過ぎたところで戸井田選手が他を引き離し始めた。
このまま、独走態勢になるのかと思われたが、
突然の失速。
そこに、都祭選手が飛び出してきた。
Sデザイン「Sイエロー」を単品使用で、
いいリズムでアタリを出している。
しかし、ここに榊選手が絡んできた。
彼もカッツケと言ってよい浅ダナ。
湧き上がってくるへら鮒の中にエサを打ち込み、
消し込むアタリを狙い良型を釣り上げてゆく。
しばらく、この二人のデットヒートが続く。

富士桟橋に入った田代選手は、
当初カッツケで釣果を重ねていたが、
だんだんペースが落ちてきた。
そこで田代選手はチョーチンに変更。
ここからが彼の本領、猛スパートでトップを追いかける。

午後になり、トップの釣果は100kgを超えていた。

まさに死闘と言うに等しい激戦になってきた。
彼らをそこまで駆り立てるのには理由がある。
それは年間順位だ。
総合トップは戸井田選手でほぼ確定している。
2位は棚網選手。30ポイントほど離れて、榊選手と忠相選手。
それから10ポイント差で田代選手、
そして田代選手から18ポイント下に都祭選手となっている。
3位争いもあるが、明らかに2位の棚網選手まで追いつこうとする気迫が漲っている。

午後2時、残り1時間。釣果が100kgを越す選手が増えてきた。
日差しは容赦なく照付け、気温も上昇。選手たちの体力を奪ってゆく。
選手の顔には、例外なく疲労の色が浮かんできた。
しかし、選手達は釣り続ける。
残り1時間で10kgの差は、この日はセーフティーでないことを知っているから。

午後3時、激戦の幕は下ろされた。
優勝は、榊選手。釣果は、ネオヘラ最高の130.29kg。総合成績は3位。
2位の棚網選手と30ポイント以上あった差を3.9ポイントまで詰めたが、届かなかった。
2位はチョーチンに変え、後半の追い上げがすごかった田代選手。
127.48kgを釣りラスト1時間で都祭選手をかわした。(総合成績4位)
3位はその都祭選手、126.42kgだったが、
枚数は210枚と参加者の中でトップだった。(総合成績6位)
 
   
 

●場所/ 榛名桟橋328番  ●釣り方/8尺タナ30cm両ダンゴ
●竿 /8尺  ●道糸/ザイト0.8号
●ハリス/上下サバキ0.5号 25cm−32cm
●ハリ/ 上下バラサ 5号
●ウキ/ 旭舟プロトタイプ ボディー6cm パイプトップ
●エサ/「ガッテン」400cc +「パウダーベイトへら」200cc +「浅ダナ一本」200cc+水200cc

 
●場所/富士桟橋229番 ●釣り方/8尺カッツケ両ダンゴ→8・9尺チョーチン両ダンゴ
●竿/8・9尺  ●道糸/【カッツケ】パワードへら ピンク1.0号、
【チョーチン】パワードへら ピンク1.5号
●ハリス/【カッツケ】上下パワードへらハリス0.5号(25cm−33cm)、
【チョーチン】上下パワードへらハリス0.6号(20cm-30cm)
●ハリ/【カッツケ】上下バラサ4号、【チョーチン】上下バラサ7号
●ウキ/ 【カッツケ】旭舟プロトタイプ ボディー4cm パイプトップ、
【チョーチン】8尺 旭舟 心7番、9尺 旭舟 心8番
●エサ/【カッツケ】Sイエロー400cc +水100cc、
【チョーチン】ダンゴの底釣り夏200cc+水250cc+グルバラ200cc+浅ダナ一本200cc+ガッテン200cc
 

●場所/富士桟橋235番 ●釣り方/8尺タナ30cm両ダンゴ
●竿/がまへら紬8尺 ●道糸/1.0号
●ハリス/上下0.6号(20cm−26cm)
●ハリ/ 上下角マルチ6号 ●ウキ/ 自作 ボディー4.5cm パイプトップ
●エサ/1.Sイエロー450cc+水100cc、2.パウダーベイトヘラ400cc+BBフラッシュ100cc+水120cc
※1と2を状況を見ながら、打ち分けた。

 
NEO-HERA PRO LEAGUE 2011 第6戦 羽生吉沼 成績
順位 氏名 重量kg 釣果ポイント 合計ポイント
1 榊 雅裕 130.29 100.0 150.0
2 田代 貴典 127.48 97.8 147.8
3 都祭 義晃 126.42 97.0 147.0
4 小池 忠教 121.98 93.6 143.6
5 石井 忠相 121.55 93.3 143.3
6 戸井田 祐一 114.84 88.1 138.1
7 黒田 幸良 113.18 86.9 136.9
8 及川 健一 106.55 81.8 131.8
9 石井 旭舟 103.01 80.8 130.8
10 染谷 剛 99.41 76.3 126.3
 
総合優勝は、戸井田選手が返り咲いた。
2006〜2009年の4連覇に加え、
通算5度目の総合優勝。
しかも、2位と81.9ポイントの差をつけ完勝だった。
優勝2回、2位1回、3位1回と5戦中で4度の表彰台。
中でも、優勝の2回は圧巻だった。
第4戦の三名湖では、減水の中90.05kgを釣り、
第5戦の亀山湖では50.5cmを釣りあげた。
優勝を手にするための戸井田祐一の
努力と戦略が光輝いた1年だった。
戸井田選手の功績称え、1年間の成績を改めて紹介しておこう。
おめでとう!

   
NEO-HERA PRO LEAGUE 2011 総合成績
順位 氏名 第1戦 第2戦 第3戦 第4戦 第5戦 第6戦 合計ポイント
1 戸井田 祐一 50.0 145.8 144.5 150.0 150.0 138.1 778.4
2 棚網 久 50.0 92.8 137.1 145.4 149.5 121.7 696.5
3 榊 雅裕 50.0 150.0 128.5 117.9 96.2 150.0 692.6
4 田代 貴典 50.0 119.4 142.0 143.7 84.9 147.8 687.8
5 石井 忠相 50.0 136.7 150.0 110.1 84.4 143.3 674.5
6 都祭 義晃 50.0 128.3 126.1 127.0 81.8 147.0 660.1
7 野島 孝 50.0 118.4 121.2 112.1 92.0 122.2 615.8
8 石井 旭舟 50.0 113.4 134.1 122.0 50.0 130.8 600.3
9 染谷 剛 50.0 98.3 127.3 106.0 69.9 126.3 577.8
10 戸張 誠 50.0 95.6 122.4 118.6 67.9 119.1 573.6
 

このページのトップへ