へら鮒天国TOP > 特集・記事一覧 > 稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第13回 ウドンセット釣りシーズンに★ロック・オン★ 横山天水の新エサ「セットガン」使いこなし術


  今年もウドンセット釣りの季節がやってくる。そう、あの難攻不落なセット釣りだ。ウドンセット釣りの難しさは、なんと言ってもバラケの作り方・扱い方であろう。多くの釣り人が経験しているように、バラケはただ単に打ち込めば良いというものではなく、その仕上がりのタッチやエサ付けの調整次第でアタリが左右される。それは常に決まったパターンがある訳ではなく、時々刻々変化する時合いに合わせて調整し続けなければならないことが、セット釣りを限りなく難解なものにし、釣り人を出口の見えない迷路へと誘うのである。 そんな悩める多くのアングラーに、この秋朗報が届いた。それはライト系・パワー系といった釣りのスタイルの如何を問わず、またどのような状況であっても幅広く対応できる新エサ「セットガン」の登場である。インパクトあるネーミングのこの新エサは、作り方や扱い方の容易さは勿論のこと、ウドンセット釣りの最大のキモである集魚とくわせへの誘導力、そして何より様々な状況にアジャストできる万能性が魅力であり、現代ウドンセット釣りにおける明確な方向性を示したバラケエサであると言えよう。 そこで今回の釣技最前線では、10月25日(木)発売を前に、セット釣りの名手であり「セットガン」の生みの親でもあるマルキユーチーフインストラクター横山天水にそのポテンシャルを余すことなく活かせる使い方について紹介してもらう。  
     
おそらく現在のへら鮒釣りにおいて、ウドンセット釣りが最も難解な釣り方と言えるだろう。その原因は、この釣りのシーズンが、基本的にへら鮒が食い渋る時期に当たることに起因する。活性が高く食いが良ければ両ダンゴで十分釣れるはずなのだが、活性が下がり慢性的な食い渋り状態となるこれからの季節は、エサを食いたくないへら鮒に無理矢理エサを食わせることになるため、必然的に難しい釣りを強いられることになるためだ。自身必ず現場で竿をだし、常に最新の釣り場事情と最先端の釣技に精通した横山も、そうした難しい時合いを如何に釣りきるかが、これから訪れるウドンセット釣りシーズンにおけるカギとなることを強く感じているひとりだ。
「バラケをたくさん打ち込んで、へら鮒を大量に寄せさえすれば、いずれくわせのウドンを食ってくるという考え方は、現在のウドンセット釣りではほとんど通用しなくなった。たしかにバラケを打ち込めばそれなりに寄りはするが、ただ漫然とエサ打ちを繰り返していたのではくわせに興味を示さず容易にアタリをださない。そしてアタリがでない原因をへら鮒が寄っていないものと勘違いして、さらにバラケをポンポン打ち込むと、尚更エサを遠巻きにしてしまうため、いつまで経ってもアタリがで難い状態が続いてしまという悪循環に陥ってしまう。一方で、たとえ難しい時合いであってもセット釣りが上手な人は、適度に寄せながら確実にくわせにへら鮒を誘導できる術を持っている。その際のバラケのエサ使いのキモは、なんといっても開き具合のコントロール。持たせるのかそれとも抜くのか。抜くとしたらタイミングは早いのか遅いのか。言葉にしてしまえばこれだけのことだが、バラケを上手く作れず、また扱い方のコツが分からないために悩んでいる人達があまりにも多い。そんな悩めるアングラーに扱いやすく釣れるバラケエサを提供することが急務と考え「セットガン」のコンセプトが固まったんだ。いわばウドンセット釣りにおける釣れる万能型基軸エサの提供だね。」
新エサの誕生の裏側にはこうした事情があることを話してくれた横山だが、実際にウドンセット釣りが得意と言われるアングラー達は、実に数多くの素材をブレンドした独自のバラケエサを手の内に入れている。彼らにどうしてそのように品種が多いのか問うと、皆それぞれのイメージ通りにバラケエサをコントロールするためと言い、どれかひとつ欠けても上手くコントロールできなくなるというのだ。それくらい複雑、且つデリケートなバラケエサなので、単品はおろか数少ないブレンド品種で、状況に合わせたバラケエサなどできるはずもないというのが大方の見方である。そうは言っても難しさをこのまま放置しておく訳にはいかない。そこでウドンセット釣りを苦手としているすべてのアングラーに向けて、使いやすいウドンセット用バラケエサを提供すべく、この釣りのエキスパート、名手横山を中心としてニュータイプのバラケエサの開発がスタートしたのである。

     
まず気になるのは新エサの特徴である。これについて横山は
「既存エサの「パワーX」ほどではないにせよ、とにかく開きが良い。最大の特徴は横方向への粒子の開きを抑えた徹底した縦バラケ性能。それを活かしながらあらゆる場面にマッチさせるためには、単品ではなくむしろブレンドして使った方がお互いの長所を引きだすことができる。」
と述べた。このことを踏まえて細かな特徴をまとめると、概ね次のようになる。

■ブレンド性に優れ、加える麩材の特性を活かす能力が高い
バラケ作りにおいては、その狙いを明確にすることが大切である。パワー系で攻め抜くのか、それともライト系でじっくり拾っていくのかといった、状況を見極めたアプローチに合わせたバラケを作ることがまずは肝心なのである。その点においては「セットガン」は真に好都合なエサであり、ブレンドする他のエサとの相性は勿論、その特性を引き出しながら自らのポテンシャルを発揮するので、常に軸がしっかりとしてブレないため狙った通りのエサ作りが容易にできる。

■粗く硬めの麩が粒子感を維持し、
経時変化の抑制に貢献

バラケで注意しなければならないポイントに、経時変化によるネバリの発生がある。ネバリがでる前までは調子良く釣れていたのに、ネバリがでてからは思うように釣れなくなってしまったという経験は誰しもあるだろう。「セットガン」に配合されたさなぎやペレットは従来品よりも粒子が粗く硬くネバリがで難いため、作り立ての粒子感が長時間維持できるというメリットがある。

■セット用バラケエサの必須条件である集魚力が極めて高い
バラケに求められるポテンシャルとして必要な要素は、なんといっても集魚力である。今回新たに開発され「セットガン」に配合された特別加工の粒状さなぎは特に集魚力に優れ、混雑時の釣りにおいても決して寄せ負けすることはない。また粒子そのものの比重が大きいため縦方向(直下)へ拡散する粒子が集中するので、思い切って多少ラフに攻めてもウワズリ難いという特徴がある。

■寄せたへら鮒をくわせへと誘導する力が強い
バラケ専用に開発された高機能ペレットは集魚効果のアップだけではなく、寄せたへら鮒をくわせに誘導する効果が大きい。このため、今まではタッチとエサ付けでコントロールしていた、粒子とくわせのシンクロをバラケ自体が担ってくれることになり、セット釣りの難しさを軽減するのに大きく寄与している。

取材を行ったへら学の森泉園の気温は30度以上。実釣ではへら鮒の活性が高く、平日で空いていることもあってエサ打ちポイントに盛り上がるほど大量に寄ってしまったため、激しいウキの上下動とカラツンが目立ち決して釣りやすい状況ではなかった、しかし、それでもバラケは確実にタナまで持って力強い食いアタリをだし続けていた。


   
横山が披露してくれた実釣を通して「セットガン」の基本的な作り方と扱い方のポイントについてまとめると、概ね次のようになる。
 
■まとまり感を担保するために
「とろスイミー」をブレンドに加える

今回推奨バラケブレンドパターンとしていくつか試しながら釣り込んだ横山だが、そのいずれにも「とろスイミー」が少量であるが加えられていた。この狙いはバラケのまとまり感を強め、確実なエサ持ちを担保するためである。開きの良さが特徴の「セットガン」は、単品で仕上げても意外に指先でまとまる感じはあるものの、やはりビギナークラスにはエサ付けの際、多少の扱い難さは感じられる。そこでタナでの開 きを妨げることなくエサ付けを容易にするために「とろスイミー」を加えるという訳で、多少セット釣りに慣れた人でも扱いやすくなる点を考慮すると、必ずブレンドに加えた方が良さそうだ。 適量は前述の通り50cc程度であるが、へら鮒の活性の高さや寄り具合で分量を調整してもよい。これによりエサ付けのバリエーションが増え、エサ使いの自在性がアップすることで様々な状況に対応することができるバラケとなる。
 
■狙いを明確にして、
方向性を定めるブレンド素材を選定する

基本ブレンドは「セットガン」2+「とろスイミー」0.5+「もう一品」2というパターンだが、この「もう一品」が狙いを明確にし、バラケの方向性を決定づけるエサ作りのキモになる。推奨ブレンドパターンとしては、高活性時のパワー系バラケには、集魚力に優れ縦バラケの性格を強める「底バラ」が、厳寒期のライト系でじっくり拾い釣りに徹したいときには、やや開きを抑える効果のある軽めで微粒子の「軽麩」などの相性が良い。 そして、その中間的な狙い方や攻め方も当然のことながら考えられる訳で、その部分はユーザーである皆さんが色々試してみて、オリジナルのブレンドパターンを見つけ出すのも面白いだろう。
 
■「粒戦」は後から加える
従来のウドンセット用バラケでは、先に「粒戦」に水を吸水させてから麩材を加える作り方を推奨していたが、「セットガン」ブレンドのエサにおいては既に新開発の高機能ペレットが十分な量配合されているので、状況をみながら後から追い足していく方法が「セットガン」自体のエサのポテンシャルを感じられる使い方と言えよう。その場合「粒戦」を生のまま直接小分けしたバラケに加える方法と、あらかじめ「粒戦」:水=2:1で吸水させたものを加える方法があるが、前述の方が高活性時向きで速効性が高く、後者は活性が低下する厳寒期向きのデリケートな使い方である。但し前者の方法では使っていくうちに「粒戦」が吸水し、次第にバラケが締まって硬くなることを理解しておきたい。
 
■パワー系の攻め方では
多少ラフに攻めるくらいで丁度良い
【※水槽写真参照】

新エサのバラケ具合を水槽で確かめてみると、想像以上に縦方向へ沈下していく粒子 の多さに驚かされる。しかもその速度が速いので、今までウワズリが激しく上手くコントロールすることができなかったパワー系セット釣りでも、ウワズリを恐れず思い切った大胆な攻め方が可能になる。むしろ高活性時においてウキの動きが乏しいときは、多少ラフに攻めて大量にへら鮒を寄せ、競い食い状態に持ち込むくらいの組み立て方で丁度良いくらいだ。

■ライト系の攻め方では基エサを最強バラケと位置づけ、
徐々に抑える方向で調整する

活性が低下してくると、じっくりアタリを引き出すライト系の攻め方が効果的だ。その際、基エサのボソタッチを最も開きの良い最強バラケと位置づけ、まずは集魚を意識しながらこれでスタートして、徐々に開きを抑える方向でエサ合わせを行うのが良い。調整方法としては小分けした基エサに適宜手水を加えてから「軽麩」をひとつかみ混ぜ込んで、タッチを徐々にヤワネバ傾向に変えていく。粗めの粒子が多い「セットガン」ベースのバラケではこうした調整を行ってもネバリがで過ぎることが無く、タナで確実に開くことでカラツンを最小限に抑えることが可能である。

■ウドン用安定液の最終形
近年のウドンセット釣りでは、くわせのウドンの種類も多岐に渡っている。それは一般的なウドンだけではアタリが持続せず、終日釣りきることができないためだ。そのため複数のウドン系固形エサを用意することがスタンダードとなっているが、それでもやはりメーンは絞り出しタイプのウドンであろう。このウドンは他の固形エサ、つまり力玉シリーズのように長期保存が効かず、また感嘆シリーズのように現場で作ることもできない。通常自宅で作って釣り場に持参する訳だが、そのエサのタッチ(エサ持ちの良さやへら鮒にとっての口当たりの良さ)を維持するためには安定液の存在が欠かせない。 現在までも様々なウドン用安定液が登場したが、今ここに最終形とも言うべき経時変化のほとんどでない安定液が完成し発売の運びとなった。名付けて三代目「わらび職人」。その名の通り初代「わらび職人」から数えて三代目に当たる安定液だが、リニューアルされるたびに改良が加えられ、作り立てのタッチが長時間変化しない稀に見る安定度を誇る画期的な安定液として生まれ変わったのである。これにより改めてウドンが主役のセット釣りが可能になり、その信頼性も更にアップするに違いない。
 
  ウドンセット釣りは一年を通して有効な釣り方であるが、へら鮒の活性が低下し、両ダンゴが通用しなくなるこれからの季節は必須の釣法となる。実際にウドンセット釣りが優位と思われる時期は1年のうちの半分近い5〜6ケ月余り。この間エサに悩み続けるのだけはなんとしても避けたいものである。
「今回新たに発売させていただくことになった「セットガン」は、ウドンセット釣りを苦手としているアングラーは勿論、得意とする人達にとってもエサ調整の難しさを軽減する特効薬になることは間違いない。最近のバラケは明らかに縦バラケ傾向であるが、単にエサの比重(重さ)で縦方向に粒子を散らしても釣りきれないことは先刻ご承知のことだと思う。エサ使いのポイントは、あくまで縦バラケを軸としながらも様々な状況に合わせた微調整。その軸となるのが「セットガン」であり、方向性を決める元となるのがブレンドする「もう一品」の麩材なんだ。 ウドンセット釣りの名手と言われる人達の多くは、実に数多くの素材をブレンドして独自のタッチを手の内に入れているが、そうしたエサ作りの複雑さや扱いの難しさは、一般的な釣り人には目指すべき目標となる一方で容易になじめない側面もある。「セットガン」の基本タッチはそうした名手達の共通する部分をリスペクトしつつ、現代の釣り場状況に合わせたタッチに仕上がるように工夫されている。つまり「セットガン」ひとつで既に複数のブレンドエサが手の内に入ったも同然という訳で、最後の味付けは皆さんが加える「もう一品」次第。それによっては我々が想像もしなかったような画期的なタッチが生まれる可能性もあり、新エサのポテンシャルを更に引き出すのはアングラーの皆さんのアイデアかも知れないね。 とにかく「セットガン」の完成で難しいといわれるウドンセット釣りのハードルは無くなった。食わず嫌いや無用の苦手意識を払拭するためにも、是非一度お試しあれ!」
 
   

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