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冬のへら鮒釣りは、総じて待ちの釣りのイメージが強い。事実サソイを多用しアタリを待つ現代ウドンセット釣りは、まさに待ち釣りの典型であろう。こうしたアプローチが有効な理由は、冬場の活性が落ちたへら鮒が水中を落下していく“動くエサ”を追いきれないということに他ならない。ところがこうした釣り方とは正反対のアプローチで釣果を上げている男がいる。そう、ご存じ長竿の魔術師:マルキユーインストラクター西田一知である。彼がターゲットとするのはディープレンジに居着く新ベラ達。両ダンゴ感覚で攻めるそのアクティブな釣り方を目の当たりにしたとき、新たなへら鮒釣りの世界が広がるに違いない。 | ||
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![]() このエサ付けサイズでのナジミ幅からは、バラケの重さはそれほど重くないことが分かる。つまりエアーがかなり含まれたエサ付けになっているのだ。このことはナジんで行く途中のバラケの膨らみ(開き)に大きく影響し、ひいてはへら鮒の誘導力やアタリの出方を左右してしまうのでとても重要なポイントだと西田は言う。 「バラケには必ずエアーを含ませておくことが肝心です。この釣り方はガッチリバラケを持たせ、エサをぶら下げた状態でクワセに粒子を被せるという一般的なセット釣りの概念では成立しません。イメージはあくまで盛期の両ダンゴ釣りの感覚で攻めるのが基本なので、ウキが立ったところでウケさせて、さらにナジミ際にサワらせながらアタリまで持って行きたいのです。そのためには落下中に適度にバラケながらナジむタッチのバラケが必要なので、自然なエサの膨らみを阻害してしまう強い圧は加えないようにすることが肝心です。 もしこのタッチでエサ持ちが悪いときは、手水を少量加えてから20回程度五指を熊手状にしてかき混ぜ、まとまり感を加えてやります。これを数回繰り返すことはありますが、練り込んだりすることはありません。どうしてもこれで持たないときはブレンドを変えて『グルバラ』の量を300ccにしてエサ持ちを強化します。」 一般的なウドンセットの釣りでは、バラケを抜いたり持たせたりと変化をつけて対応するが、この釣りでは基本的にはバラケを持たせるスタンスを崩すことはないという。バラケは開かせながらも最低限必要なナジミ幅を必ずキープする。これはバラケがナジミきる位置まではバラケで誘導し(タナに引き込み)、そこから下ハリスがナジんで行く間にグルテンを食わせるというシステムを構築するために必要不可欠なことで、これがイメージ通りにできないと決して好釣果を得ることはできないのである。 ブレンドするエサの数が5種類とやや多いが、実際にはどれかひとつ抜けてしまっても彼の目指す釣りができなくなるほど、綿密に計算されたバラケであることをご承知おきいただきたい。 |
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![]() 「まず簡単な方法がハリスを詰めること。一回に詰める長さは5cmが基本で、詰めてヒット率がアップすれば問題ありませんが、改善が見られない場合は更に5cmずつ詰めていきます。もし詰めたことでウケやナジミ際のサワリが極端に減るようであれば元に戻し、別の対策を施します。 ハリス調整以外ではグルテンのエサ付けを調整します。小型の新ベラが多く寄ったときなどはひとまわり小さくして様子を見ます。このときハリもワンサイズ小さくすると尚一層効果的です。ただしエサ持ちが悪くてカラツンになるときがあるので、小さくする際には注意が必要です。グルテンはくわせエサとはいってもバラけるので、食う瞬間にハリにまとまっていないと食い損なうことがあるので、小さくする際には手もみの回数を増やすなどしてエサ持ちを強化します。 よくカラツンがでたらエサを軟らかくする人もいますが、私はしません。特にバラケはエサ持ちが悪くなるので、かえってウワズリを助長することになりかねないので、あくまで硬くしっかりめのバラケで通すようにしています。」 このように西田のカラツン対策は単純明快だ。さらに目先の数枚を拾うことはせず、あくまで両ダンゴ感覚の強い釣りを貫き通し、分厚いタナを作り安定的な時合いを目指す。多少時間がかかってもそうして構築された時合いは崩れ難く長く持続する。これこそが西田のスタイルなのだ。 |
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![]() 「主なところについては既に述べましたが、最も核心になる部分はあくまでバラケを残した(持たせた)状態でグルテンにアタらせることです。当たり前のことですが両ダンゴではエサをハリから抜いて釣ることはありませんから、このことは何よりも重要なので、釣っていてナジミ幅が少なくなったときには要注意です。 それ以外では、ナジミながらアタらせるためにはタナ(竿の長さ)も重要です。活性が高まれば多少ずれていてもタナに寄ってくることがありますが、活性が低い厳寒期では待っていてもタナができる(変わる)ことが少ないのです。こんなときには竿の長さを変えた方が良い結果につながることが多く、目安としては2尺程度の調整を入れます。とくにナジミ際にアタリがでないときに、バラケを持たせて深ナジミさせるとアタるというときなどは、タナを深くすると良い感じで釣れるはずです。 それと意外に見落とされがちなのがグルテンのエサ持ちです。アタリがでていてもヒット率が悪いときなどはエサが持っていない(ハリから繊維が垂れてしまう)ことが多く、手もみを多く加えたり硬いタッチのエサに作り替えたりすると、途端にヒット率が上がることがあるので覚えておいてください。 この釣りは主に厳寒期の三名湖や丹生湖、三島湖や豊英湖などといった準山上湖やダム湖で特に有効な釣り方ですが、もう少しすれば水深のある管理釣り場でも通用するようになります。もちろんそのときは27尺という超長竿は無用で、15〜16尺で手軽に楽しめるようになるので是非チャレンジしてみてください。もちろん自然の中で振る超長竿も楽しいですよ(笑)。」 |
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