稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第27回 岡田清のアクティブ段底|へら鮒天国

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稲村順一が徹底レポート「釣技最前線」第27回 岡田清のアクティブ段底

へら鮒釣りは少しずつ、そして確実に進化している。その背景にはエサやタックル、さらにはアプローチに慣れたへら鮒が簡単に釣れなってくるという実情があり、それを打破すべく新たな攻め口をアングラーが編み出すということが繰り返されているためである。 特に食いが渋くなる厳寒期の釣りでは、そうした進化するへら鮒についていけないと悲惨な結果が待っている。そんな厳寒期において、もはやなくてはならない釣りとなった段差の底釣り(※以下:段底)であるが、かつて“鉄板”と言われたこの釣りも、へら鮒の進化に追従するように様々なアプローチが編み出されてきた。今回紹介する釣りもそのひとつで、動きを抑えた「静」の釣りを基本とする段底において、自ら積極的に攻めることで食い渋ったへら鮒の摂餌を促す「動」の釣りで実績を積み上げてきた段底である。 今回この釣りを紹介するのはマルキユーインストラクター岡田 清。言わずと知れたトーナメントモンスターの彼が練り上げてきた段底は、ついへら鮒任せになりがちな厳寒期の段底において、トップトーナメンターならではの繊細さと大胆さを融合させた発想で、自ら仕掛ける能動的なアプローチの釣り方へと昇華させたアクティブな段底である。

受け身の段底に限界を感じたサンデーアングラーが目指した能動的釣法

トーナメントシーンに燦然と輝く実績を残してきた岡田だが、彼は多くのヘラ師がそうであるようにサンデーアングラーのひとりである。つまり釣行のほとんどが混雑によるプレッシャーを受けたへら鮒が相手となる、実に厳しい釣りを毎回のように強いられているのだ。

「ウドンセットの宙釣りばかりやっているように思われていますが、実は底釣りも得意なんですヨ(笑)。特に段底は色々アレンジができるので大好きな釣り方のひとつで、今回紹介する段底は従来の段底のようにジッとアタリを待つ受け身の釣り方ではなく、ロッドワークでバラケの開き具合をコントロールしたり、ラインテンションを掛けたり抜いたりしてアタリを引きだす、いわば攻めの段底といえるようなアプローチなんです。 こうした釣り方にたどり着いた経緯は、やはり日曜日の釣行が多い僕にとって、普通の釣り方ではどうしても満足いく釣果が上げられなかったためで、特に厳寒期の混雑した日曜日ではアタリオデコになりかねない危険性があり、ある意味ノーマルな段底に限界を感じていたのです。そこで、そんな厳しい条件のなかでも一枚でも多く釣りたいと思う気持ちが原動力となり、座してアタリを待つのではなく、自ら仕掛けてサソイで攻めるアクティブな段底を思いつかせたのだと思います。」

ひとことに攻めるといっても、厳寒期における過剰な攻めは両刃の剣。決めることができないと、いともたやすく時合いを崩壊させる危険性をはらんでいる。当然岡田の段底はそのギリギリの接点を探る釣りになる訳だが、実際に取材を通して見た彼のアプローチは、基本的にバラケを持たせたうえでロッドワークのコツをつかめれば、なんとか形になりそうだと感じられた。また完全に真似はできないまでも、段底に関する多くのヒントがちりばめられているので、その辺りも含めて早速隼人大池でみせた彼の釣りを紹介することにしよう。

使用タックル

●サオ
シマノ「朱紋峰 神威」11尺→10尺
※穂先からウキのトップ先端が10cm程度でた状態で底が取れる長さを選択するのが岡田流のキモ

●ミチイト
オーナーザイトSABAKIへら道糸(原着フロロ)0.8号

●ハリス
上=オーナーループ付バリハリス0.5号-10cm、下=オーナーザイトSABAKIへらハリス0.5号-50cm

●ハリ
上=オーナーループ付「バラサ」7号、下=オーナー「サスケ」5号

●ウキ
一志「底釣り」五番
【1.2mm径テーパーパイプトップ14.5cm/5.5mm径一本取り羽根ボディ16.0cm/2.0mm径竹足4.0cm/オモリ負荷量≒2.2g/エサ落ち目盛りは全11目盛り中7目盛り出し ※クワセを底に着けた状態で8目盛り目が水面上にでる】

●ウキゴム
オーナーばり「浮子ベスト」2.0号

●ウキ止め
オーナーばり「スーパーストッパー」1.5号S

●オモリ
フィッシュリーグ絡み止めスイッチシンカー0.8g+0.25mm厚板オモリ

●ジョイント
オーナーばりダブルサルカンダルマ型22号

●トンボ
オーナーばり「スーパーストッパー」1.5号S

タックルセッティングのポイント

■サオ
水深に合わせて竿一杯で底が取れる長さのものを使うのが段底の基本だが、岡田の場合この一杯という基準が極めて重要なポイントとなる。一般的には完全にタナが決まった段階で、穂先の先端よりもウキのトップ先端が出ないことが多いが、彼の場合、タナが決まって釣り込み態勢に入るときには、トップ先端が竿先よりも10cm程度出るよう、意図的にミチイトの長さを切ってでも合わせるようにしている。もちろんこれはサソイのためのロッドワークをやりやすくすることが目的であり、僅かな竿先の動きで狙い通りに誘うためである。

■ミチイト
底釣りではタナボケは命取り。また段底特有の弱く小さな食いアタリを確実にウキに伝達するためには、張りのあるラインが必要不可欠。岡田はそうした点を考慮して、伸縮が少なくしかも高比重タイプのフロロ系ラインを選択。ただし、水流などの抵抗を抑えるために太さは0.8号を基準としている。

■ハリス
基本セッティングは別図のとおりで、上ハリスは0.5号/10cmでほぼ固定とする。下ハリスは3m前後の水深では50cmを基本とし、深くなるほどに長めにするのが岡田流。また厳寒期の日曜祭日等の混雑時の釣行の際には、あらかじめ基準よりも10~20cm長めでスタートすることも多いという。しかし、あまりハリスの長さを変えない段底では、この開始時点の長さの選定が重要で、釣り場のクセや傾向、さらには経験等を加味して慎重に吟味するという。

■ハリ
上バリはセット釣りのバラケ専用の糸付きバリを愛用する岡田。サソイでバラケの開きをコントロールするため、必ずバラケを持たせてウキを深ナジミさせる彼の段底では、エサ持ちの良い汎用タイプのバラサ7号は、いわば必須アイテム。これに対して下バリはエサ持ちの良いサスケをセレクト。サイズはくわせエサの種類によって使い分ける。

■ウキ
岡田流のアクティブ段底を支えるのが一志の底釣りウキである。竹足を含めた高浮力なボディに細めのパイプトップが組み合わされ、高活性期の両ダンゴの底釣りから繊細なアプローチが要求される厳寒期の段底まで幅広く対応できる。今回はまだ活性がある時期の取材であり、流れもあったことからやや大きめの五番を使ったが、厳寒期においては1~2サイズ小さめで良いとのこと。

岡田流アクティブ段底のキモ 其の一:ロッドワーク(多彩なサソイのテクニック)

誤解のないようにあらかじめお断りしておくが、岡田流のサソイとは、一般的に認識されているくわせエサを動かしてリアクションバイトを引きだすものではなく、主にバラケの開き具合のコントロールとラインテンションの抜き差しがメインとなっている。もちろんくわせエサを動かすサソイも含まれるが、それはサソイ全体のごく一部であり、流れ等でくわせエサの位置がズレない限り積極的にくわせエサを動かすことはないのである。さて本題に入るが、岡田流のサソイをタイプ別に分けると概ね以下の通りとなる。

1.バラケを促進させるサソイ(縦サソイ)
※ウキが深ナジミしている間、竿掛けの頭を支点として竿尻を下げて竿先を吊り上げるサソイ方で、少しずつバラケさせたいときは2~3目盛り程度と小さく、広く多めにバラケさせたいときは4~5目盛り大きく動かすのがポイント。主に集魚を目的としたサソイ方である。

2.バラケを一気に抜くサソイ(縦サソイ)
※ウキが深ナジミしている間、竿を持ち上げて竿先を強くあおるサソイ方で、大きな塊のまま、また少量でも上バリに残ったバラケを一気に残らず抜きたいときに用いる。主に早い食いアタリがでるときに用いると効果的なサソイ方である。

3.ラインテンションの抜き差し(縦サソイ)
※バラケが抜け落ちた後、竿掛けの頭を支点として竿尻を下げて竿先を吊り上げたり、反対に竿先を水中に深く入れてウキを沈めるサソイ方で、底に着いたくわせエサが動かない程度にウキを動かすのがポイント。サワリがあって食いアタリが出にくいときに有効なサソイ方で、テンションを掛けたり緩めたりした直後にアタることが多い。

4.ウキのシモリの解消(横サソイ)
※流れなどでウキがシモってしまったとき、竿掛けの頭を支点として竿尻を左右に移動させてウキのシモリを解くサソイ方で、水面上に出ていた勝負目盛りがシモッたときに、アタリがでやすいように強制的に元に戻すのが目的のサソイ方。

5.くわせエサの置き直し(横サソイ)
※くわせエサの位置がずれた際、竿掛けの頭を支点として竿尻を移動させてウキを戻すサソイ方で、本来ウキが立つ位置から流されてしまったときに、元の位置に戻してアタリを待つのが目的のサソイ方。くわせエサを底から大きく離さないようにして移動させるのがポイント。

「サソイ方には色々なバリエーションがありますが、基本的な考え方はバラケが残っているときはバラケを促進させたり抜くタイミングを計るためにサソい、バラケが抜けてからはラインテンションの抜き差しでアタリの伝達を確実なものにするためにサソいます。そして肝心なのが勝負目盛りを必ず水面上に出すために行うサソイです。概ねこの3つの考え方を基にしてサソいますが、サソわなくてもアタリがコンスタントに続くのであれば、無理にサソう必要はありません。あくまでウキへの変化が少なく食いアタリが容易にでないときに、へら鮒任せでアタリを待つのではなく、積極的に動いて仕掛けて行くのが私流のサソイなのです。そして、こうしてヒットさせたときはただ待ってでたアタリをアワせて釣れたときよりも“釣った感”が大きく、たとえ釣果が伸び難い日曜日の釣行でも満足度が高いのです。」

岡田流アクティブ段底のキモ 其の二:サソイ以前に大事なバラケのタッチ。2種類の「粒戦」で方向付けるエサ合わせ

セット釣りにおけるバラケの役割は非常に重要である。それは単にへら鮒を寄せるだけではなく、さらにくわせエサへと誘導し食わせるという役目も担っている。岡田はこの点について、近年の段底では食わせるためのきっかけをバラケで行うことが必要だと言う。

「かつての段底では、バラケを底に溜めるイメージでへら鮒を寄せれば、ある程度エサを打ち込んだ時点で自然に釣れ始め、その時合いが比較的長い時間続きました。しかし最近の傾向としては、打ち始めてすぐにへら鮒の気配を感じるようにはなるものの、ただエサを打ち込んでいたのでは簡単にアタリはでないように感じます。そこで僕が心掛けているのがバラケの抜き方です。そして、その抜き方をサポートするのがバラケのタッチです。まずはへら鮒を寄せることが肝心ですが、それに加えてエサに対して興味を持ち、食い気を促すことができるタッチを同時に探るのです。僕の場合、概ね2つの方向性でバラケのタッチを合わせていきます。ひとつは軟らかめのシットリ系、もうひとつは硬めのボソ系です。前者の場合はあらかじめ吸水させた「粒戦」を加え、後者の場合は生の「粒戦」を小分けした基エサに適宜加えて行きます。通常エサを軟らかくシットリさせるには手水を加えますが、僕はやや多めの水で吸水させた「粒戦」に含まれる水分を利用します。この方がネバリも出にくく、集魚力もアップすると考えるためです。反対に硬めのボソタッチにする場合は生の「粒戦」に基エサの水分を吸収させるのです。」

実釣ではシットリ系バラケの反応が良かったため、主に吸水させた「粒戦」を追加投入することでタッチを合わせていった岡田。そして主軸となるサソイでバラケを促進。さらにバラケを上バリから抜くタイミングをロッドワークで探り当てると、明らかにバラケが抜けた直後のウキの動きに躍動感がみなぎり、その後のラインテンションの抜き差しを狙ったサソイで、確実に食いアタリを引きだしていったのである。

「このバラケの散らせ方や抜き方が、寄ったへら鮒をくわせエサへと誘導するきっかけになるのです。それはワンパターンでは決まりません。特に混雑時の食い渋ったへら鮒には微妙な変化を与えることが有効ですので、たとえ数枚連続して釣れたとしても決まったとは思わずに、常にへら鮒の興味を引き続けるタッチと抜き方を探り続けなければなりません。バラケの抜き方のポイントと注意点ですが、意識的に早く抜きたいときは指先でまとめたバラケの上からハリを刺し込むようにしますが、一定以上軟らかくシットリさせたものでは下から引き抜くようにハリを入れるようにします。いずれにしてもバラケを持たせてウキがナジむようにしなければなりません。なぜならサソイはナジませてから始めるのが基本なのですから。特に「粒戦」を加えてからのバラケはエサがまとまりにくくなりますので、水中を落下していく途中で抜けないよう、エサ付けには充分な注意が必要です。」

岡田流アクティブ段底のキモ 其の三:意外?にナーバスな底ダテ。勝負目盛りは段底の生命線!

底釣りでは正確な底ダテが重要であることは言うまでもないが、特に下バリのみを底に着ける段底では、ときにくわせエサが底を離れてしまうことがある。ウドンセットの深宙釣りではアタリがでるのに、底が切れた段底では不思議とアタリがでないもので、こうした失敗を犯さないためには、何をおいても正確な底ダテと適切なタナ合わせ(ズラシ幅)が必要になる。

意外と言っては失礼かも知れないが、岡田の底ダテは極めてナーバスに行われる。直径5mmほどにちぎってまるめた粘土タイプのタナ取りゴムを下バリに刺し、丹念に底の状態を探りながらトップ先端が水面上に出るようにウキ下を調整する。初めに取り出した11尺での底ダテでは若干の凹凸があることが分かり、さらに安定した底を探りながら、同時にミチイトの長さを調整した。そして最終的にタナを合わせた際にトップ先端が竿先よりも3cm程度出るようセットしたが、これは底が掘れることをあらかじめ想定したもので、最終的には10cm程出すように調整するという。

「段底では下バリのくわせエサが底に着いていることを確実なものにするため、底を切った状態で決めたエサ落ち目盛りよりも1目盛り程度水面上に出る、いわゆる勝負目盛りを出すことが肝心です。これがでないと釣れる気がしませんし、事実アタリが出にくくなるのです。そのためにはどんなに正確に底ダテができたとしても、ウキの戻りが悪い底の状態のところではイメージ通りの釣りができませんので、周辺で最も良い底の状態のポイントを探る必要があるのです。さらに僕の段底では穂先一杯いっぱいまでウキを上げることでサソイ効果が最大限生かせるので、半端に穂先が余る場合はミチイトを切ってでも釣りやすいタナに合わせます。」

実際に11尺でスタートすると、本来出なければならない勝負目盛りが出ない投もあり、岡田自身違和感というか、明らかに釣り難さを訴えていた。その後、底のヘドロがほとんど掘れないことと、若干ではあるが手前が浅く凹凸が少ない良い地底があることが分かったので、竿を10尺に替えて改めて底ダテを行い、初めからトップ先端が竿先よりも約10cm出るようにミチイトの長さを合わせた。すると明らかにウキの戻りが良くなり、ほぼ毎投勝負目盛りが出るようになると、その後は岡田のイメージするとおりのウキの動きでコンスタントに釣り込んで行ったのである。

「勝負目盛りがでるか否かはアタリの出方に直接影響しますので、バラケが抜けたら必ず出るようにセッティングしなければなりません。実際コンスタントに釣れるときには、この勝負目盛りが少しでも水面上に出たときです。またアタリを待つ際にも勝負目盛りが見えた状態でサソっていると、くわせエサが確実に底に着いているという安心感と、ここでサワリでもあろうものなら確実に食ってくるだろうという期待感が増します。だからこそ底ダテに妥協はしません。慎重に正確に、たとえ時間がかかっても自信を持って臨める環境を整えることが大切なのです。」

岡田流アクティブ段底のキモ 其の四:最後の仕上げはくわせエサの使い分け。へら鮒の好みを掴み取れ!

段底ではアタリの取り方も重要だ。岡田曰く、

「一旦バラケを持たせ、バラケが残っている間のアタリは見送り、完全にバラケが抜けてからのアタリであれば積極的にアワセるということだけ心掛ければ、何も難しいことはありません。特に食いが渋い厳寒期の日曜日の釣行では、アタリの数にも限りがありますので、できる限り確実性の高いアタリがでるタイミングを押さえることが肝心なのです。これもよく聞かれることなのですが、段底ではどのくらい待てばアタリがでるのか、どれくらい待ったら良いのかという質問です。確かに長時間待てばアタることもありますが、それではやはり釣った感に乏しいので、僕流のひとつの基準としては、バラケが抜けた後でサワリがあるときはサソイながらアタリを待ち、無いときは速やかに打ち返します。サワリがあるときにサソイ続けるとアタリがでることが良くありますので、その時々の食いの良し悪しに応じてサソう時間を決めておくと、へら鮒任せの釣りにならないと思います。」

さらに取材時、岡田は大変興味深いことを実践してみせた。それがくわせエサの使い分けによる食いアタリの違いである。セット釣りでは必ず複数のくわせエサを用意するというが、この日は特にその種類が多かったのだ。そして色々と使い分けるうちに「力玉」にたどり着き、さらにそれを2個ハリに付けることで釣況を激変させてみせたのである。

「以前はそれほど気を使わずとも釣れましたが、最近ではどんなセット釣りでもくわせエサを合わせていかないと釣れ続かないことが多くなりました。原因はへら鮒のエサ慣れや嗜好の変化が考えられますが、一日のうちでも時合いの変化によってはくわせエサを変えた方がアタリのでることが良くあり、今やくわせエサのローテーションは必要不可欠なテクニックだといえるでしょう。使い分けのポイントですが、基本的な考え方としては活性が高く食いが良いときほど大きめ・重めのものを使い、活性が低く食いが悪いときほど小さめ・軽めのくわせエサを使います。しかし底の起伏や傾斜、流れの有無によっては必ずしもこのセオリー通りにはなりません。むしろ逆の方が良いこともあり、さらに釣り場のクセというかへら鮒の嗜好の差によってエサ使いが異なることがあります。それが証拠に「ヒゲトロ」に代表されるとろろエサに対する反応が極めて良いこともありますし、今回結果として良く釣れた「力玉」の2個付けなども効果的なこともあります。もちろんセオリー通りになることの方が多いのですが、正直どれが良いかは判断しかねます。取り敢えず色々と使い分けてみることが大切で、そこから正解を導き出すのも段底の面白さかも知れません。」

総括

近年段底にも様々なバリエーションのアプローチが増えてきた。基本である一旦バラケをしっかり持たせてウキを深くナジませ、バラケが完全に抜けてからじっくりアタリを待つというアプローチを軸に、バラケの持たせ方や抜き方にアレンジを加えたり、くわせエサをローテーションさせて摂餌を刺激したりと、その方法は多岐に渡る。

新たな釣り方の発見や既存の釣り方のブラッシュアップは、よりたくさん釣りたい、より深く楽しみたいという思いが原動力となる。自他共に認めるトップトーナメンターである岡田清の段底も、時期的なものもあってかトーナメントシーンで目 にする機会はないかも知れないが、彼流のアグレッシブな思いが生み出した新たなアプローチと言って良いだろう。

「ウキが動かない厳寒期の混雑した釣り場であっても、たとえ一枚でも多く釣りたいというのがサンデーアングラーの僕の率直な気持ちです。おそらく同じ思いを持っている方は少なくないのではないでしょうか?アタリを待つのも自ら攻めるのも各自の自由です。確かに待った方が良いときもあるでしょうが、それでも僕は攻めずにはいられません。それでダメなら諦めることもできますが、攻めずに釣れないのでは悔いだけが残ってしまうのです。 何やら精神論的な話になってしまいましたが、チョットでも興味があるのであれば是非試してみてください。大切なのはチャレンジ精神。これこそが段底に限らずへら鮒釣りを上達させるために必要なのではないでしょうか!」