 |
 |
 |
7月3日の夜明け前、和歌山県南紀見老津にマルキューのグレ・インストラクター陣が集結した。九州からは永島義郎氏、中国からは大知豊氏、矢部裕之氏、四国からは江頭弘則氏、立石宗之氏、福良元宏氏、関西からは宮川明氏、山戸東教行氏、平和卓也氏、三原憲作氏、藤原義雄氏、関東からは大塚仁人氏というエキスパート12名。前夜は枯木灘に打ち寄せる海鳴りが気になる悪天候だったが、当日は大きい磯ならどうにか渡せるまでに波も収まった。夜明けを待ち、3名ずつ4グループに分かれて渡船に乗り込んで出港。船は大きく揺れながら沖の黒島と陸の黒島へ釣り人たちを降ろす。 |
 |
今回のテーマは、発売されたばかりのまったく新しいくわせエサ「くわせコラーゲン磯」を使って、マキエに群がるエサ取り軍団の下から高水温期のグレを引き出すこと。「すさみ八景」に数えられる黒島の景観を楽しむ余裕もなく、インストラクター陣はマキエの準備に取りかかる。マキエを入れると、待ってましたとばかりにチョウチョウウオやスズメダイ、コッパグレなどが群がり、その下には50cmを超えるイスズミもチラホラ。フィールドテストの条件としては申し分ない状況である。
様子見ということで、まずは生オキアミをハリに刺して投入。場所によって反応にムラはあったが、これはエサ取りの餌食となる。つぎは加工オキアミの「くわせオキアミスーパーハードM」を試すと、すぐにグレが飛びついた。さすがは百戦錬磨のインストラクターたちである。しかし、サイズは20cm前後のコッパが主体で物足りない。そこで、いよいよ「くわせコラーゲン磯」の出番となった。
コラーゲンは動物の結合組織の主成分である硬タンパク質のことであり、魚や人間の骨や腱、表皮などに多く含まれている。繊維状タンパク質とも呼ばれ、適度な引っ張り強度と軟らかさを兼ね備えているため、食い込みがよくちぎれにくいのが特徴。化粧品や医療品、健康食品などにも幅広く利用され、環境にも優しい天然素材として注目を集めているので、コラーゲンという名前を耳にする機会も多いはず。このコラーゲン繊維をベースにオキアミやアミエビから抽出した摂餌成分をゲル化(ゼリー状に)してたっぷり含ませたのが「くわせコラーゲン磯」である。ゲル化することによって、摂餌成分は時間をかけながらゆっくり海水に溶け出す。それがグレの食い気を刺激するわけだ。 |
 |
エサ取り対策の定番である練りエサは比重が大きいため、マキエのオキアミと同調させて沈めていくのが難しい。遠投するとすっぽ抜けることもあり、仕掛けが立ちやすいのも弱点。チヌ釣りには有効な練りエサだが、グレ釣りでは使いこなしにちょっとしたコツが必要だ。しかし、「くわせコラーゲン磯」は比重がオキアミとほぼ同じ、力一杯振り込んでもちぎれず、溶けてエサがなくなることもない。ハサミを使わないとカットできない弾力があるため、さしものエサ取りも噛み切れず、口に入れても吐き出すか、無理矢理飲み込むしかないのだ。結果、エサ取りの層を突破してグレの口元へ届くということになる。飲み込んだ場合にはウキにアタリが出るわけだから、エサの付いていない空バリを流すといった無駄もなく、釣り人は自信を持ってマキエのなかへ仕掛けを入れてエサ取りの下から飛び出るグレを狙い、アタリがなければ遠くの深ダナまで探ることができる。 |
 |
エサ取りのど真ん中へ仕掛けを入れ、カウントダウンして回収するとハリにはしっかり残っている。最初は半信半疑だったインストラクターもいたが、エサが残ればマキエと同調させるのはお手のもの。30cm級のグレに交じってイサキ、大サバなどが次々にヒットする。エサ取り名人のカワハギが「くわせコラーゲン磯」を噛み切れずにご用となったのには驚いた。あちらこちらで大型のサンノジが食いついたのは、エサがしっかり残った証拠。磯が俄然、活気づく。
コッパはすぐに吐き出すが、良型はそのまま飲み込む。25〜30cm級のグレもアタリをキャッチして合わせないと吐き出してしまうようだ。「ウキ止めなしの仕掛けだとアタリが出にくいから、ラインを張り気味に送り込むというのがコツだね」。「グレのタナが分かったら固定仕掛けできっちりアタリを拾う釣りが向いとるんかもしらんな」。新しい感覚のエサを手にした名手たちは、まるで新しいオモチャをプレゼントされた子どものように目を輝かせ、すぐに的確な使い方を模索する。同行したマルキユーのスタッフたちがアドバイスをメモする。
細かくカットしたコラーゲン素材が添加されたテスト用配合エサもおおむね好評だった。比重はオキアミとほぼ同じで、バラケ打ちもまとめ打ちもしやすく、添加されたコラーゲンがエサ取りの下へ届いてグレの食い気を刺激し、食いを長続きさせる。ボイルオキアミとの相性もよく、尾長狙いにも威力を発揮しそうだ。エサ取りたちが食べやすい大きさのコラーゲン素材に興味を示すと、そのスキにオキアミが通過する。どうやらエサ取りを釘付けにする力もあるらしい。状況に合わせて「くわせコラーゲン磯」と「くわせオキアミスーパーハード」を使い分けながら、エサ取りとの駆け引きを楽しむインストラクターたち。比重がほぼ同じだから仕掛けを替える必要もない。同じ感覚でハリに刺せる。全体に潮の動きが悪く、前日までのシケで濁りが入ったせいか、グレのサイズがイマイチだったのは心残りだが、夏磯に、またひとつ、新たな楽しみをもたらす記念すべき釣行会となった。 |
 |
 |
 |
 |
 |
|
|