へらエサパワーブック
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12チョーチンウドンセット釣り タナまでしっかりナジませてからの縦誘いをいくら繰り返しても、いっこうにウキが動かないときは、エサを追ってへら鮒がタナに集まってこないと考えられます。こんなときは、抜き系のアプローチが必要になります。以前は、チョーチン釣りで抜きはないなどと言われてましたが、最近では、かなり市民権を得た釣り方になってきました。 抜き系のアプローチの考え方は、浅ダナと同様です。バラケエサに近づかないへら鮒にくわせエサを食わせるにはハリスを長くするのがセオリーですが、それをタナより上層でバラケエサをハリから抜くことで、それと同じようなことを水中で演出するのです。 ただし、浅ダナと違ってチョーチンは、タナまでの距離が長くなります。竿が長くなればなおさらです。その長い距離の中で、バラケエサを抜く位置を思いどおりにコントロールするというのは至難のワザです。ですから、この部分は割り切って考える必要があります。 まずは、タナ近辺まではある程度バラケエサを届けていくことです。ある程度とは分かりにくいですが、1〜2目盛り程度はバラケエサのナジミ幅がでるくらい。つまり、抜きとは言っても、いきなり抜いてしまうのではなく、タナ近くでという意識です。まずはこのアプローチではじめ、サワリやアタリがでるハリスの長さを見つけましょう。また、このとき、エサが持ちすぎてしまった場合は、竿を強く叩くように動かして、強制的にバラケを抜いてしまうのもありです。 バラケエサの傾向としては、活性が低く食い気がなくなるほど、軽く細かな粒子の麩材の割合を増してゆっくりバラケを沈下させ、動きの鈍いへら鮒でも反応できるようにします。 このアプローチでへら鮒を反応させることができないときは、バラケエサを抜く位置を上層に修正します。これこそねらいどおりにコントロールするのは難しいので、徐々にエサのタッチを軟らかくし、ハリから抜けやすいエサに手直ししていくといいかもしれません。そして、抜く位置が高く(水面に近く)なればなるほど、ハリスは短くしていきます。お分かりだと思いますが、バラケからの距離が遠くなった分、ハリスを短くして釣ることができます。 この上層から抜くアプローチですが、タナまでエサが届かなければ成立しません。ですから、『粒戦』など、確実に下方向へ落ちてくるエサが重要で、アタリがでにくいときなどは、使っているエサに別作りした『粒戦』を足すことが有効です。また、流れがあるときなどはその威力を発揮できない場合もあるので、使い所を間違わないようにしましょう。 このアプローチでも、誘いのテクニックを使います。バラケが抜けてくわせエサがナジミきったところから、小さな縦誘いを駆使してアタリを引きだします。そのため、エサ落ち目盛りは沈め気味にするのがセオリーで、くわせエサだけ付いた状態でトップ先端1目盛りから3目盛りの間にするのがスタンダードです。また、縦誘いをしたあとのナジミ途中の動きを表現してくれるセミロングタイプのムクトップウキを使うことをオススメします。厳寒期は抜き系のアプローチ。軟らかいエサで抜く位置をコントロール!
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