へらエサパワーブック
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14 厳寒期の定番とも言える段差の底釣りは、底近くにいるへら鮒を底に着けたくわせエサに誘導してアタらせる釣り方です。ですから、バラケエサをタナまで確実に届けることが必須条件になります。基本はしっかりナジませてから、ジワジワとバラケエサが抜け、それによってへら鮒を底へ誘導する。そして、バラケが抜けてから、つまりくわせエサだけの状態になってからのアタリをねらっていきます。 段差の底釣りは底から離れた位置にバラケエサがくるので、エサが底だけに集中するバランスの底釣りと比べて広範囲のへら鮒を寄せることができます。さらに、バランスの底釣りではターゲットにしにくい宙層のへら鮒にもバラケエサの存在をアピールすることができるメリットもあります。 ただ、たとえ宙層の魚でも、底へ呼び込むことが本来のねらいですから、むやみに早いタイミングのアタリに手をだしていくのは得策とはいえません。もちろん、バラケエサが付いている状態でアタリがでて、それがヒットすることもありますが、そのアタリはバラケエサへのアタリかもしれませんし、イトズレかもしれません。まだ、バラケエサが付いている状態であわせてしまえば、そのバラケエサが舞い上がることでウワズリを招きかねません。厳寒期のウワズリを修正するのは、かなり時間がかかりますので、手堅く釣るほうがよいでしょう。 ですから、基本はくわせエサだけの状態からのアタリを待ちます。釣り始めにくわせエサだけの状態でのエサ落ち目盛りを確認しておけば、バラケエサが抜けたこ段差の底釣りとは誰でも容易に判断できます。ここからのアタリであれば、かなりの確率でくわせエサへのアタリと言えますので、この釣りのメリットでもあるヒット率の高い釣りを展開できます。 この釣りではアタリをだせるかどうかは、バラケエサの広がりのコントロールにかかっています。バラケエサが広がりすぎていれば、遠巻きになったり、ウワズリを招いて、肝心のくわせエサまでへら鮒を導けません。すると、サワリはでてもアタリがでない状態になります。逆に、広がりが少ないとアピール不足になりへら鮒の寄りが少なくなります。こうなると、サワリすらでないことにもなります。理想を言えば、バラケエサがナジミ切るまでの動きは少ないものの、ナジミ切ってからサワリが出始め、そこから徐々にトップが返し、バラケが抜けて間もなくアタリがでる。このようなウキの動きを目指しましょう。 バラケエサは、しっとり系のボソタッチが基本で、タナまで持つしっかりめ、まとまりのあるものになります。ポイントはエサ付けで、落下中の開きを抑えるため表面は丁寧に転がします。ただ、タナに入ってからは膨らんで表面からポロポロとこぼれるようにバラけさせるために、エアーを含んだ状態にしておくことです。抜き系のアプローチ バラケエサをしっかりナジませて、底へバラけた粒子をジワジワと降らせる釣り方では、イトズレなどの無駄な動きが増えたり、明らかにバラケエサへの反応が強すぎる場合など、釣りにくい状落下中の開きを抑えてタナまでナジませる!

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