容姿端麗で、紅を差したような口元。そんな非の打ちどころのない美女、ならぬ美魚のサヨリが、カゴ釣りで好調との情報を聞きつけ、鼻息荒く立ちあがったのが、マルキユーきっての釣りたがりである太田さん。カゴを使ったサヨリ釣りは初めてということで、情報元の釣りのエキスパート・林さんを勝手に師匠と仰ぎ、スレンダーボディが美しいサヨリに会うべく現場へ急行した。
向かったのは、横に数百メートル伸びる広い波止。周囲には目立った障害物もなく、大きく振りかぶって投げるカゴ釣りには打ってつけの釣り場だ。  到着して早々、釣りたいモード全開の自称・弟子の太田さんは、さっそく林師匠に仕掛けのセッティングから釣り方までの教えを受ける。

仕掛けは、サヨリ用の遠投カゴと1本のハリに、これらを結ぶ糸だけ。あとは、コマセとしてカゴへ「ハイパワーアミエビ」をギュッと絞り、ハリに「パワーイソメ(細)」をヒョイっと付けて投げ、水面付近に漂う仕掛けをゆっくりただ巻きすればOKとのこと。
ちなみに、「パワーイソメ(細)」を使う理由は、「釣れるし、エサを交換する手間が減るのと、サイズ的にもちょうどいいから」だという。
実際、林さんは以前にこのエサを使い、短い時合ながらも、5連続ヒットというウハウハな体験をしたことがあるそうだ。

さて、潮止まりのなかで、師匠の解説付きで実釣が始まった。  この釣りで大切なことの1つが、リールを巻く速度。「1回転に10秒以上かけるぐらい、ゆっくり目にリールを巻くといいよ」とのこと。時折竿をシャクってコマセを意図的に出し、魚を寄せるのもポイントだと付け加えた。

基本的なことを教わったものの、まだ遠投に慣れずにナヨナヨしたキャストをくり返す弟子とは対照的に、キレのある弾道で倍近い飛距離を出す師匠。その師匠に、早くもアタリが!

しかし、乗らず…。ただ、反応があったおかげで2人はがぜんヤル気に。すると、教えどおりにゆっくりとリーリングする太田さんに「コツッ」と小さなアタリ。こちらもハリ掛かりまでは至らなかったものの、魚の存在は確認でき、出だしはまずまずといったところだ。

その後、師匠の「そろそろチャンスタイムだよ」という予言から数分経過したところで、潮が流れ始め「ググッ」という魚信!掛かった魚は沖でジャンプし、サヨリであることを確認し、ヨイショ〜っと抜き上げたのは、30 cm級の本命。当日初となるサヨリの登場に、2人ともテンションが上がる。

今がチャンスと、目をギラつかせてキャストした太田さんが「きたーっ」と叫ぶ。しかし、ものの1秒でバラしてしまった。 貴重なチャンスを逃して心ここにあらずの太田さんに、師匠から「アワセは竿を立てるぐらいでいいよ」というアドバイスが入る。

しばらくして、ショックから立ち直った太田さんに再びヒット!慌てず助言通りに竿をスーッと立てると、今度はしっかりハリ掛かりしたようで、良型のサヨリをキャッチし、師弟が出てくる爽やかなマンガのように2人は喜びあった。

そして時は流れて夕マズメ。終了時刻が近づくなか、それなりに遠くへ飛ばせるようになった太田さんが、いきなり師匠に勝負を挑むという暴挙に出る。

夕日が沈みかけたところで潮が動き、太田さんにヒットし数で並ぶ!だが、余裕の表情を見せ続けていた師匠が2投連続で良型をキャッチ。潮が落ち着いてきたところでタイムアップとなり、勝負の行方は予想通り、師匠に軍配が上がった。

サヨリ釣りは、春の大型、秋の数釣りといった具合で楽しめる。シーズン中は、「パワーイソメ(細)」を持って銀色に輝くスリムな魚体を拝みに行ってみては。
 
 
生エサや虫エサよりもエサ持ちがいいおかげで、一度ハリ付けすればしばらく同じものを使えるから、釣りの効率がよくなります。秋の数釣りシーズンや時合が来たときなど、アタリが多いときほど、その恩恵を受けられるでしょう。また、「細」サイズはサヨリ狙いにちょうどいい大きさであるのも嬉しいですね。
by 林さん
 
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