Q.1
付けエサは「なにとなに」を「どれくらい」持っていけばよいのですか。
Q.2
食いの良いエサが見つかれば、それ一種類ではいけませんか。
Q.3
エサ取りが多い時に有効なエサはなんですか。
Q.4
釣り方でエサ取りをかわす方法はありますか。
Q.5
ダンゴの種類が多く「なにをどう使う」のかがわかりません。
Q.6
ダンゴが落下途中で割れたり、着底してもなかなか割れなかったりです。うまく割るコツはなんですか。
Q.7
パサパサダンゴとやわらかダンゴの使い分けを教えてください。
Q.8
名人はチヌばかり釣っているのに、私はその横でボラばっかり…どうして?
Q.9
チヌのアタリを合わせるタイミングはエサによって違いますか。
Q.10
チヌ釣りに誘いは有効ですか。タテの誘い、ヨコの誘いと言われますがどう違うのですか。
Q.11
ハリのサイズはどう使い分けますか。
Q.12
「くわせ荒割」が良いと聞いて使ってみましたが釣れませんでした。本当に効くんですか?
ダンゴ釣り特集 紀州釣り・かかり釣り
スペシャルトーク
山本太郎の「紀州釣り」
これで、紀州釣りがグンと身近になった
オモシロイから熱くなれる!
大西 満の「チヌ・かかり釣り Q&A」
チヌかかり釣り
工藤昇司の攻めて、攻めて、釣る!
新兵器「やわらかダンゴ」の魔力!
エッセイ
エド山口の釣り伝道師が征く
「関東ダゴチン釣り」の巻
簡単だけど奥が深い
大西 満の
「チヌかかり釣りQ&A」
オモシロイから熱くなれる!
大西 満
おおにし みつる

1939年徳島県生まれ。大阪府寝屋川市在住。チヌ・かかり釣りのほか、鮎友釣り、磯(グレ)釣り、渓流釣りなど四季の釣りをハイレベルでこなすマルチ釣り師。行動派ながら理論家としても知られ、執筆多数。がまかつ、東レ、ボナンザフィールドテスター、マルキューインストラクター。
かかり釣りの基本はダンゴの紀州釣り
 チヌ・かかり釣りは、年々、その人口が増えていることからみても、人気の高さが証明されますが、これまで関西に集中していた釣り場も九州、四国、中国、北陸、東海、関東へと全国規模に広がりつつあります。
 人気の理由は、まず、チヌが釣れる確率が高いことでしょう。
 磯や波止場で釣ることに較べると、非常に簡単にチヌが釣れてくれます。“あれ、釣れちゃった…”そんな感じで安易にチヌが釣れるのです。
 でも、いつでも、いくらでも釣れるのではありません。狙って、他の人よりたくさん釣ろうと思うと、これは大変なことなのです。奥が深いと言うか、むずかしいと言うか、考えるほど奥が見えなくなる…そこがまた面白い、と熱くなる人が多い釣りと言えるでしょう。
 カセ(小舟)にしろイカダにしろ、足場が良くて、湾内の釣り場が多いから天候に左右されにくいことも有難いですね。
 最近は、トイレ付きのイカダも増えて、女性や子供連れでも安心して釣りに出かけられるようになりました。
 釣りは、魚が釣れてこそ楽しいものですが、チヌ・かかり釣りは、チヌ以外にもいろいろな魚がいて、それを狙えばそれなりに釣れるので、ともかく魚と遊べることが、これからさらに伸びてゆく釣りの重大な要素ではないでしょうか。
 かかり釣りは、基本的にはダンゴを使った紀州釣りです。
 チヌに食わせる付けエサを、集魚効果の高いダンゴに包んで底に降ろします。ダンゴはエサを底に沈めるオモリの役目の他に、エサ取りから付けエサをガードし、底でチヌを寄せるマキエになると共に、濁りと匂いでチヌの活性を高めてエサを食わせる“一人三役”をしているわけです。
 他に、ダンゴは足元に落としておいて、付けエサは大きなオモリで少し離れた所へ投入して釣る“ブッ込み釣り”や軽いオモリ(又はオモリなし)で上からフワフワと落とし込んで釣る“落とし込み釣り”などがありますが、これらの方法は、それぞれに目的があって使い分けている人が多いようですが、そのあたりは後述のQ&Aで説明します。
A.1 主に使われるエサは、アケミ貝、イ貝、アミエビ(大粒アミエビ、「くわせアミエビ」など)、オキアミ(「くわせオキアミ」を含む)、シラサエビ、ボケ(カメシャコを含む)、さなぎ(粒さなぎ、「くわせ荒割」など)、練りエサ、虫エサ(ゴカイ、マムシなど)等がありますが、どれが良いのか、特定はできません。
 しかしチヌは悪食です。なんでも食います。だから前述のエサは、どれでも釣れるエサです。ただ、良く食うかどうか…これはかなり差があるでしょう。季節によって、チヌのエサの好み(釣れるエサ)も変化があるようですから、まずは現地の情報(渡船店か常連客に聞く)を参考にして、自分で決めるほかはありません。
 
私のエサの組み立ては、おおむね次のとおりです。
(春)アケミ貝2?(中に丸貝用の小粒も入れる)、オキアミ2?、「くわせコーン」3缶、「くわせ荒割」1袋。
(夏)アケミ貝2?(中に丸貝用の小粒も入れる)、シラサエビ約5合、「くわせコーン」5缶、「くわせ練りエサ・チヌ」2袋、「くわせ荒割」1袋。
(秋)アケミ貝1?(丸貝用小粒も含む)、シラサエビ約5合、「くわせコーン」3缶、「くわせ練りエサ・チヌ」2袋、「くわせ荒割」1袋、オキアミ1?。
 ただ、これは基本パターンで、現地情報によって多少の変化があります。
A.2 一日中同じエサで、ずっと同じ食いが続くことはないと思います。
例えば、秋に数が釣れる時でも、シラサエビで釣っていて何尾か釣るとアタリが渋くなります。その時にエサを、オキアミか「くわせコーン」、「くわせ荒割」等に替えると、また大きなアタリで食ってくることがよくあります。
 特に、水温が高い時期は「くわせ荒割」で良い結果が出ることが多いので、このエサはいつも離せません。
 なぜか…それはわかりませんが、ともかくエサ慣れすると、エサを替えたらまた釣れるので2〜3種のエサでローテーションすることが数釣りの要件です。
A.3 エサ取りに非常に強いのはアケミ丸貝かイ貝(丸貝)でしょう。でも、それでしばらくアタリがないと私は辛抱しきれずに、他のエサに替えてしまいます。
丸貝で釣るにはそれなりのステージが必要です。少し前からアケミ貝を撒いて、それから…となるわけです。
 これを触りにくるのはボラかフグ(主にヒガンフグ)ぐらいで、アタリがあればまずチヌ、と思って良いでしょう。が、それまで待てたら、の話です。
 次に、エサ取りに強いのが「くわせ荒割」です。ダンゴから抜けたら1mほど持ち上げて、それからゆっくりフォーリング。その落ち込みでアタリが出ることが多いものです。時々、フグ、カワハギ、ベラ等が触ってきますが気になるほどではありません。
 エサ持ちは良いけれど、適当にエサ取りもつついてくれるのが「くわせ練りエサ・チヌ」です。
 すぐには取られませんから適当に誘いをかけてチヌにアピールしてください。エサ取りのアタリが消えたらエサがないと思って、すぐ打ち返してください。あまりにもエサ取りが多い時は、梅干しサイズのエサにして使う人もいますが、チヌの口は大きいのです。それでも十分、入りますよ。「くわせコーン」も同様です。エサ取りもつつくしチヌも食うエサですが、やはりマキエの中に数粒ずつ混ぜながら使うと効果が高いようですね。
A.4
1.手返し勝負──ともかく打ち返すことです。ピピッとエサ取りのアタリがあったら、もうエサは残っていません。すぐ打ち返します。
 アタリが現れなくても、少し誘いをかけてエサの有無を確認(エサがあれば少し重い)して、エサがなければ打ち返す。ダンゴからエサが出た、その時にチヌが食うかエサ取りが食うか、そう思って勝負をかけてください。エサのないハリには、絶対にチヌは食ってこないのですから…。
2.ボラの中で釣る──エサ取りが多いような時はボラも多いはずです。「荒びきさなぎ」や「アミドリップ」などを多目に入れてボラを寄せ、ボラにダンゴをつつかせて、エサが出てもそのままで待ちます。エサ取りはボラを避けることが多い(例外もあるけれど)が、チヌは平気でボラの中でエサを食います。
 ただ、チヌのアタリ以外は絶対にアワセてはいけません。いきなりグイッと穂先を引き込む、ボラのスレアタリが多く出ますが、それをアワセるとボラと力較べをすることになります。どんな大きなアタリも見送ってひたすら“チヌアタリを待つ…”それでハッシとチヌを掛けアワセた時は、ホント、エクスタシーさえ覚えますよ。快感です。
3.ダンゴの外を釣る──ダンゴは足元に落として、仕掛けは1〜2号の中通しオモリを付けて少し遠くを釣ります。チヌは、ダンゴの濁りの外側にもウロウロしていますから、それを狙うのです。
 匂いが広がる潮下を、と考えますが、そこにはエサ取りも多いと思われます。こだわらずにあちこちをさぐってください。案外、潮上に良型チヌがいることもあるのです。
A.5 主材(ベースとするダンゴ)と副材(いろいろと性能を追加するダンゴ)とがあります。
人によって、その組み合わせは違うと思いますが、私の場合は次の通りです。
「三重チヌ筏(三重県限定品、13?入り)」又は「赤だんごチヌ(12?入り)」を主材に、副材として「深場大チヌ(粒子が粗いのでボソタッチに仕上がる)」1袋、「オカラだんご(白い濁りを加える)」2袋、「チヌパワー(もし、ボラが多過ぎた時に粘りを加えるために予備として持つ)」、「活さなぎミンチ・荒(集魚)」2個、「荒びきさなぎ(集魚とバラケ性追加のために予備として)」1袋、「チヌドリップ(集魚)」2袋。
A.6 チヌ釣りの50%はダンゴの「割れ方で決まる!」と言えます。
ダンゴが着底してから、一、二、三、四、五…それくらいで曲がった穂先がフワリと腰を伸ばす(ダンゴが割れる)のが理想です。
 水深とかボラの多さとかで条件はいろいろと変化しますが、基本的には“粘りを付けるためには「チヌパワー」を”、
 “割れやすくするためには「荒びきさなぎ」を”です。
 それで調合しておいて、決め手は握る力の加減(回数)です。一定の強さで握って、10回握った時に割れにくかったら次は8回で、それでも割れにくかったら7回、6回と…。もちろん、割れて困るようなら、強く握るのではなく同じ力で握る回数を増やすことが、コントロールしやすいと思います。
 ズボラはいけません。うまくゆかないのに、うまくゆかせるための努力をしない人は、チヌが釣れない人です。何回となく微調整して、“会心の割れ方”を追求してください。“ダンゴを制すればチヌを制す”です。
A.7 パサパサダンゴの遣い手は山本太郎さん、軟らかダンゴの遣い手は工藤昇司さんです。私はその中間のボソタッチダンゴです。
それぞれ、主として自分の得意のダンゴで釣りますが、その状況によって使い分けることもあります。その状況とは…。
 ボラが多くて、ダンゴが途中で割られて困る時はパサパサダンゴでギュッと握り固めて落とします。これは、時間と共に水分を吸収して崩れるもので最初には、ボラが少しくらいつついても割れ難いのです。
 やわらかダンゴはシラサエビやボケなど、生きているエサを使うときに有効です。ベチョッと軟らかく包めるので活きエサへのダメージが少ないのです。パサパサダンゴやボソタッチダンゴで活きエサを使うときは、糸にダンゴを握り付けて、エサをダンゴの外へ出して落とすのですが、エサ取りが多いときはこれができませんので、底まで包んで落とさせるやわらかダンゴが必要なのです。
A.8 チヌのアタリとボラのアタリは明らかに違います。
チヌのアタリは、必ずと言ってよいほど“コツッと鋭い短い前アタリ”があります。糸のフケ加減で、これがはっきり表れたり微かにしか出なかったりしますが、注意して見ていたら見破れるアタリが出ます。
 ここでは送り込まず、そのまま待ちます。次のククーッと押さえ込みがきたら少し送ってそれからアワせる…これでばっちりとハリ掛かりです。
 
ベラが似たようなアタリをしますが、その他の魚はほとんど、この“コツッ”がありませんから、ほぼ区別できます。
 いきなり穂先をぐいっと押さえ込むのはボラのスレアタリです。また、ボラもエサをくわえます。そのときのアタリはモソモソッのあとにクーッと押さえてきたら“ボラに食われた”ので、あきらめてボラと力較べをしてください。
A.9 人によっては“大きく違う”と言う人もありますが、私は“ほとんど同じ”と思っています。
 まずコツッとくる前アタリを確認したら、送り込まずに待ちます。送り込むと、次の本アタリがボヤけてわからなくなるときがあるからです。
 次にクーッと穂先に重く乗るようなアタリが出ます。これは小チヌがエサを口中にして移動し始めたアタリと思います。それを20?、30?、送り込んでアワセます。
 押さえ込みでなく、モヤモヤと穂先が上下するアタリが出ることもありますが、これはチヌが“居食い”していると思います。ゆっくり穂先を上げて“聞いて”ください。コンコンと頭を振るのが伝わってくるでしょう。
 チヌは、もうエサを呑み込んでいますから大丈夫です。それから大きくアワセて、取り込んでください。チヌは、人間が考えるほどエサによる食い方の違いはないと思います。ほとんどのエサを一度くわえて吐き、それからもう一度くわえて反転して移動する…私はこう考えています。
 それに、水深10m以上も底のことを、糸を通して伝わる微かな動きでつぶさに知ることは不可能です。
 コツコツの前アタリでチヌであることを確認し、次のクーッと乗ってくるアタリでアワセる…この単純なアワセで十分だと思います。
A.10 エサ取りがいない(少ない)時は誘いは必要だと思います。
エサを動かすことで、チヌにアピールできるのです。
 海底にはいろいろな物があります。自分のエサが岩の陰に入っているかもしれない…私はいつもそう思って誘いをかけます。実際にアタリは、この誘いのあとのフォーリング(エサの落ち込み)でくることが多いのです。
 ただ、エサ取りが多いときは違います。少しぐらいのエサ取りなら私は“チヌが食うか、エサ取りに食われるか”と思いながら誘いを掛け、エサ取りのアタリが出たら仕掛けを上げて打ち直す“攻めの釣り”を心がけていますが、エサ取りが非常に多い時は、エサを海底に置いて、ひたすら待つしかありません。それでも、モヤモヤッとエサ取りのアタリがあったら、すぐ打ち直すのは当然の行動です。
 ヨコの誘いは、ほとんど無意味です。タテもヨコも海底のエサの動きは“上昇と沈下”しかありません。
 水は、空気の約60倍の粘性がありますから、穂先を1mぐらい横に動かしても、水中の糸は上へ引き上げられるだけです。
 エサの上昇でチヌにアピール、フワフワとした沈下(フォーリング)で食わせる…誘いの効用はそれで十分ではありませんか。
A.11 多くの人が、釣れるチヌのサイズでチヌバリの大・小を決めているようですが、私はエサによって使うサイズを変えています。
(シラサエビ・1号) 小型のエビを選んで買うのでハリも小型です。呑ませて釣る主義ですから、小バリの方が呑み込みやすいと思っています。
(オキアミ・2号) エサは小さく丸く付けます。これも呑ませて釣るので小さくしたいのですが、エサの保持を考えて2号です。
(「くわせ荒割」・0.8〜1号) 小さいエサですから、チヌに違和感なく吸い込ませるためには小バリがベストです。ハリにたくさん付ける必要はありません。チヌは1粒ずつ拾って食っているのですから、「くわせ荒割」もなるべく黄色いカケラを1〜2粒、ハリにチョンと掛けるだけでよいのです。
(アケミ丸貝・5〜6号) 中に挿入したハリが抜け落ちないために、そして強いアワセ(貝がらがあってもチヌの口に刺すため)で掛けアワセるために大きなハリです。イ貝の丸貝も、貝殻いっぱいかそれ以上の大バリの方が良い結果が出ています。どちらの貝も、小バリはバラシのもとです。
A.12 本当に良く釣れます。
他のエサを凌ぐ結果を出したことも何度かありました。ただ、使う時期、使うタイミングは考慮しなければいけません。
 今年から、付けエサ用として、「くわせ荒割」が発売されました。付けエサとしての手頃なサイズを選んでコンパクトにパックしたもので、使いやすくなっています。
 このエサで食いが良いのは水温の高い時(夏から初秋)です。群がるエサ取りを気にせずにチヌを狙えます。
 釣ったチヌの胃袋を見るとさなぎの粉(粒)がぎっしり詰まっていますが、これはダンゴにかぶりついてさなぎだけ胃袋に送り込んでいるのです。そんな、チヌの“常食”ですから食って当然です。
 ダンゴを食いにきたチヌに食わせるために、ハリ(エサ)をダンゴの外に出して落とし、そのままダンゴが割れたら1mほど誘い上げ、ゆっくり糸を張りながら落とし込みで釣ります。かなり上で食うことが多い(溶けたダンゴが宙に浮遊しているからでしょう)ので、注意しながら落とし込んでください。
 これの使い時は、ゴツゴツとチヌがダンゴをつつきにきた時です。ボラとは違う、鋭くて強いダンゴへのアタリが出たらすぐ切り替えてください。それまでに釣れたチヌとは親子ほども違う大型が食ってくるでしょう。
 いつでも「くわせ荒割」を使えるように、あらかじめ水に浸して軟らかくしておきます。そして、ダンゴの中にひとつまみ、粒をアンコにして握ってください。効果は倍増するでしょう。
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